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幸政です。
久方ぶりに戦国無双の妄想です。

今、企画用のSSを起こしておりますが、
SEと無双でそれぞれ考えていますが、本にしようと思うと、
まだまだ全然ページ数が足りない…orz
16KBも書いて9ページとか。
本を出している方々を尊敬します。

そんな自己都合でHTML形式での配布になるかもしれません。。。
(今のところご希望も、HTMLが多いですし…)

そんなこんなで、戦国無双、幸政です。


*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

戦国御伽草子


伊達か島津か。
それほどに由緒正しい家柄の大名。
真田幸村は、島津と対を成す、由緒正しき伊達家十七代当主、という人物を
とても厳しい面構えの、熊のような男だと思っていた。

『鬼の島津』と『独眼龍の伊達』
どちらも、折り紙つきの強さと聞き及んでいて、
どちらとも戦ってみたいと思ったいた。

けれど、目の前に立つ人物はどうだ。
およそ『鬼の島津』と対を成すとは思えない。

城中で、偶然一人で居るところを見かけた。
眼帯をしている姿から、その人物が『独眼龍』であると知れた。
憂いを帯びたようなその瞳に、幸村は思わず声を掛けていた。

「……貴殿が……伊達、政宗殿?」

ゆっくりと幸村を振りいた。
想像以上に幼い。

「なんじゃ、その不躾な問いは。無礼であろう?」

随分と華奢な体。
幸村よりも頭一つ、二つ分低い位置から睨みつけてくる様は、
まるで子猫が威嚇しているように頼りなく見えた。
そのくせ、気位だけは虎のように高い。
剣呑な瞳と言葉、それにぐっと惹きこまれていた。

「あ…いえ…これは、失礼致しました。」

慌てて膝を折れば、隻眼の瞳が細められた。

「ふん、信玄公はおぬしを随分と買っておるようじゃが。
戦意外に興味はないと見えるな。」
「いえ、決してそのような事は…」

政宗は、興味なさ気に幸村を一瞥すると、そっと手を差し出してきた。

「?」
「…・・・立て。わしより背が高いことは腹立たしいが、
わしに、膝を付かせる趣味はない。」
「ですが・・・」
「つべこべ言わずに立て。わしに膝を折るな。」

この言葉に、幸村の頭は白紙になる。
通常、一武将に過ぎない己が、国主たる政宗に膝を折ることなど当たり前だ。
けれど政宗はそれを許さない。
どんな武将だろうが、通常は位の上下関係を重んじる。
現に、先ほど政宗は幸村の問いに『不躾だ』と不快感を露わにした。
ところがどうだ、今度は立てと言う。
幸村には訳が分からない。

「あの…?」
「えぇい、何度も言わせるな」
「はぁ…」

慌てて目の前の手を取る。華奢な手がぐっと幸村の体重を支えた。
立ち上がると、間近に政宗の隻眼が見下ろせる。
キラキラと宝物のように光るそれ。
幸村は思わずその頬に触れていた。

「あなたは、不思議な方だ…」
「なんじゃ?」

今度は、政宗が不思議顔をする。
思わず幸村はその腕に政宗を閉じ込めていた。

「…なっ…?!」
「あなたは、不思議な方だ。あなたのような方には、初めて出会いました。」
「は…は…初めてだったらなんだと言うのじゃ!
初めてだと腕に囲う癖でもあるのか、貴様はっ!!」

えぇい放せ、と焦りを隠そうともせずにもがく、腕の中の政宗は、
とても『独眼龍』と恐れられる人物には思えない。
『鬼の島津』などは、その風貌からして明らかに、『鬼』という喩えが合うが。

あっさりと幸村の腕の中に収まり、懸命に逃れようとしているようだが、
それも及ばない。
本当に、これが『龍』と渾名される武将なのだろうか。
幸村は疑問に思いつつも、この華奢な体を抱きとめる事をやめなかった。

やがて、暴れることに疲れたのか、政宗は溜息を吐いて、暫く幸村の好きにさせた。
これが良くなかったのだろう。
以降、ことあるごとに幸村は政宗を抱きしめる癖がついてしまった。

そして、幸村もこの後の戦で知ることになる。
政宗が『独眼龍』と渾名される、その所以を。

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