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日々の徒然や妄想など
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豪烈版、フラストレーション。
恋人同士(だと思っている)のに、公衆の面前で冷たい烈と、
いつでもどこでも構ってチャンな豪。

それでもOKの方は『つづき』よりどうぞ。

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

イライラする。
対外的に愛想が良いのも、めったな事で相手を邪険にしないのも、
分かってるつもりだった。
そして、俺の好きな人はとても人気があって。

『そいつはオレんだ!触わんなっ!!』

どれほどこう叫び出したかったか。
でも、俺たちは男同士で、しかも兄弟で。
現実と理想の間で、こうやってオレのイライラはどんどん溜まっていく。



「やぁ、レツ!」
「あ、ブレット。久しぶりー。」

ミニ四駆のWGPで育まれた友情は、5年経った今でも続いている。
もちろん、オレだって仲の良いやつだっているし、今では豪樹や烈矢なんかとは、
烈兄貴より仲が良い。

でも、烈兄貴の"仲が良い"は大概、相手が兄貴に友達以上の好意を持っちまってるから、
すごくすごく性質が悪い。
兄貴も気づいてないのか、無警戒に全開の笑顔を相手に向ける。

「いつ日本に?」
「ついさっき、成田に着いたばかりだ。」
「そうなんだ、今回の用事はなんなの?」
「国際宇宙ステーションの件で、NASAから送り込まれてきたんだが…
目的地に行く前に、烈に会って行こうと思ってな。」
「相変わらず、君は忙しそうだね。」

烈兄貴の横に立ってる俺の存在なんか無視して、
ブレットは兄貴に笑顔で話掛ける。
それに兄貴も始終笑顔で答えるから、完全にオレ蚊帳の外。
今ではブレットに引けを取らないくらい、身長も伸びたのに。
視界に入らないわけじゃない。ただ、無視しているだけだ、ブレットは。

「ところでレツ、四日後の土曜日は空いているか?」
「え?…あぁ、多分大丈夫だったと思うよ。」
「では、空けておいてくれ。土曜日一日、俺がレツをリザーブする。」

ウィンクを投げてよこすブレットに、レツは苦笑をもらした。

「相変わらず、君は気障なんだね。」

ふっと困ったように微笑み、それでも否、とは答えを返さない烈兄貴。
そこで、オレの我慢には限界が来た。

「ちょっと!烈兄貴!!」
「ん?」

烈兄貴の腕を引いて、ブレットしか見ていなかった視線を、
身体ごと俺の方に向けた。

「『ん?』じゃねーよ、何でそんな簡単にOKしちゃうの?」
「なんで…って。次、何時会えるか分からないだろ?
お互いの近況だって知りたいじゃないか。せっかく縁あって友達になったのに。」

至極当然、と言い放つ烈兄貴と、追い討ちをかけるようなブレットの声。

「Oh!誰かと思えば、ゴウ・セイバじゃないか。でかくなったな。」

今ようやく気づいた、といわんばかりの態度が益々気に入らない。

「お前のブラコンは相変わらずなのか?土曜日一日たりともレツを渡したくない?」

にやにやと、意地悪い笑みを浮かべてブレットがオレを挑発してきた。
もう、兄貴に後で殴られようが、構うもんか、と思った。
オレは、売られた喧嘩は買う主義だ。

「一時間、一分たりとも渡したくねーよ。
だって、烈はオレんだもん。」

言うなり、オレは烈兄貴の腕を更に引き寄せて両腕の中に囲い込んでしまうと、
兄貴が文句を言う前にその唇を塞いだ。
かなり濃厚なソレに、はじめ暴れいた兄貴もだんだんと腰砕けになってきたみたいで、
身体から力が抜けていく。

そんな俺たちの様子を見て、ブレットは軽く口笛を吹いた。

「仲が良いって事はいいことだがナ。
TPOをわきまえろよ、ゴウ・セイバ。」

ブレットの言葉に、オレは視線だけをブレットへ投げる。

「白昼堂々、天下の往来で、する事じゃないんじゃないか?」

なぁ、レツ?とニヤニヤと笑うブレットに、
顔を真っ赤にして俺を睨みつけてくる烈兄貴。
頬染めて、口を拭われても劣情以外の感情を抱けない、俺。

「バカ豪!行くよ、ブレット!!」

烈兄貴は、ブレットの手を引いて、その華奢な肩を目一杯怒らせながら歩いてゆく。
ブレットは立ち去り際、オレにだけ聞こえる声で囁いていった。

「ま、レツの扱いには気をつけるんだな…。
俺はいつでも、レツを攫っていける。」

立ち去る二人の後姿が、俺を更に苛立たせた。

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