10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
うたた寝してしまいました。
23時前後(トリック終わったあと直後くらい)から、
記憶がありません!
…特技:うたた寝
前回、大失敗したSEソウ ← キッドの書き直し前に、
1本ソウキド(?)で。
キッドが死武専に戻ってきた前提のお話です。
「つづき」よりどうぞ。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
影響・悪影響
世の中には、影響を受けやすい人間、というものが存在する。
例えば今、目の前の彼などが良い例だろう。
「武器の性能の違いが、戦力の決定的差ではないと言う事を、
教えてやろう!!!」
「悪いけど!キッドとアタシの能力差は、武器で補わせてもらう!」
キッドが戻ってからの、久しぶりの体術組み手。
しかも今日は武器を伴っての、より実践的なもの。
どうやらキッドは、自らが囚われている間に、
俺がデスサイズになった事を快く思っていない。
まぁ怒っている訳ではないし、仲間のデスサイズス入りを喜んでくれてはいるようだが、
やはり自らの武器を一番乗りさせたかったんだと思う。
少し、ご機嫌はナナメだ。
『なぁ、あのセリフ、俺どっかで聞いたことあるんだけど…』
「今パティがマンガ読んでるからじゃない?
散らかしたマンガを片付けてた時に、手にとって見たら、面白かったって言ってた…ぅわっ!」
『余所見すんなよ!』
目の前のキッドが一瞬視界から消え、次の瞬間には、マカの懐に飛び込んでいた。
息を飲むのが分かるような距離で黄金色の瞳が鋭く細められた。
肘を当てられそうになり、マカが咄嗟にガードして防ぐ。
キッドは少し負けず嫌いの気がある。
武器は中・長距離向けの飛び道具にも拘わらず、今のようにあえて距離を詰めてきたり。
そして、それがマカの負けず嫌いを呼び起こすきっかけにもなるのだが。
「こぉんのっ…!」
ムキになったマカが、力任せに俺を一閃させる。
あ、今キッド笑ったな。
「ふふ、敵の挑発に乗っては、せっかくの武器の性能が台無しだぞ?」
久しぶりに見る、自信に溢れた笑み。
突き刺さるようなプレッシャーの中、それでもどこか溶けてしまいそうな視線が絡む。
それを心地よく感じてしまう俺も、相当参ってるんだと思う。
マカの一閃を軽業師のように、宙でくるりと一回転して地に降り立つキッド。
天使型といわれるマカよりも余程、羽根でも生えているような動きだ。
キッドの足が地に着く前から、照準は俺達に向けられている。
『キッドくーん、通常モードで良いの?』
『実践じゃないんだから、そこまで要らないだろ、パティ。』
「お前達の好きなだけ、魂を使っていいぞ。」
『やった!じゃあ死刑執行本気モードで!』
『おいパティ!いくらなんでも相手はマカたちで、味方だぞ!!』
『デスサイズになって調子乗ってるソウルは、ちょっとくらい痛い目みた方がいーって』
鼻唄でも歌い出しそうなパティの弾んだ声が響いてくる。
『…アイツ等本気だな…』
「さすがに、やっばいかも♪」
体勢を立て直すためにも、マカは素早く後方へ下がる。
距離を取ったとってはみたものの、銃器型武器を使うキッド組相手に、どれだけ効果があるか分からないが。
そして、かつて無い程の充填速度で、かつて無い程の膨大な魂の波動を感じた。
キッドもリズもパティも暫く離れてはいたが、個々の鍛錬は怠っていなかった。
この実習で、それぞれの成果を試そうという事もあるんだろう。
しかも職人は死神でもあるキッド。
ベースの能力値は誰よりも高い。
―――と、いう事は、デスサイズになって基本値が上がった俺だけでなく、
相手も結構能力を上げてきている、という事で…。
『死ね、ソウルー!!!』
『俺限定かよっ!』
パティの声と、トリガが引かれたのは同時だったと思う。
デスサイズになってなかったら、正直防ぎきれなかった。
なんとか、マカの盾になって攻撃を凌いだものの、
武器型を維持していられなくなって、人型に戻ってしまった。
「…くっそー…」
「やっぱり、まだキッドくんには敵わないや…」
項垂れる俺達。
満足そうなキッド、リズ、パティ。
キッドが戻ってきてからは、あの姉妹はキッドにべったりだ。
それは少し面白くない。でも、キッドが戻って来た事を、誰よりも喜んでる。
「それでもデスサイズか?軟弱者め。」
「うーわー。そのセリフもどっかで聞いたことある上に、結構ムカつく。」
キッドが手を差し出し、屈み込んだ俺を立たせてくれた。
にくったらしい一言と供に。
でも。
久しぶりに聞くその声も、久しぶりに見るその笑顔も。
なんだかとても嬉しいのだ。
視界の端で、マカもリズに助け起こされながら、キッドを見ていた。
やっぱり俺らの中心はキッドで。
どうあってもこの小さな死神の事が好きで堪らない。
「…とは言え、お前少し影響されすぎなんじゃねぇ?」
「そうか?あれは名作だぞ。お前も読んでみるといい。
ガ○ダムは素晴しいぞ!!」
マカ・リズ・パティの後を、少し空けて俺とキッドが続く帰り道。
最近キッドがハマっているというマンガの話になったのだが、
どうにもマニアックすぎてついていけない。
基本的にキッドの事は好き、なんだけれど…。
この影響受けやすい気質は何とかしてもらいたい、と思ってしまった。