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日々の徒然や妄想など
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無双、幸村・政宗。

カップリング表記にすべきかどうか悩ましい、
微妙な感じです。
ギャグで激短。

大丈夫な方は「つづき」よりどうぞ。



*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

北の国から


冬も本番。如月の朝は寒い。
上田城の庭で、幸村は一人、槍を振るっていた。

いつもの鍛錬。
夏であろうが、冬であろうが、日課としてこなしている。

「はっ!」

覇気とともに、槍の切っ先が直線を描き、ピタリと地面の上、数寸の位置で止まる。
上から下へ、下から上へ。
槍の先が描く軌跡は、庭に植えられた松の枝葉から落ちた雪を薙いだ。

上田の冬も、雪が降る。
近頃、降雪が続き、積もった雪も、今日の穏やかな太陽に照らされて、
少し溶け始めているようだ。

(…鍛錬が終わったら、城下に出てみよう。)

久しく城から出ていなかった幸村は、ふと思い立ち、鍛錬を切り上げた。
早朝から湯を沸かせ、湯殿に浸かる。
贅沢かも知れないが、日課のせいか咎められることはない。

さっぱりした後、幸村は着流しに羽織りを羽織り、
城下へと出て行った。



「今日は天気も穏やかだ。」

人と物でにぎわう城下を歩きながら、幸村はゆっくりと歩を進めた。
日陰はまだ雪が残っているが、ここ数日で積もった雪はほとんど溶けつつある。
そんな中、幸村は遥か前方の人影に、つきり、と胸を躍らせた。

「…あのお姿…まさか?」

季節は冬。かの人の地は雪で閉ざされている。
馬が使えるわけもなく、本来であれば、今この場にはあろうはずもない姿。
けれど、遠めに見ても分かる。あの立ち姿。
幸村が愛して止まない、彼の人が立っている。

そう思うと、幸村は一目散に駆け寄った。

「政宗殿!!」
「幸村。久しいの。」

声を掛ければ思ったとおりの応えに、嬉しくなる。

「どうなさったのです?どうしてここへ…」
「なに、越後に所用があったのでな。少し足をのばしてみたまで。」
「越後…兼続殿に、ですか。」
「まぁな。じゃがもう用も終わった。息災か、幸村?」

笑顔の政宗に、ここが往来で、立ち話であったことを思い出した。
幸村は慌てて城内に案内しようとする。

「政宗殿こそ、お元気そうで何よりです。
立ち話もなんですし、どうぞ、城へ。」
「あぁ。そうじゃの。」
「しかし、今日は雪が溶けて来たとは言え、奥州も越後も雪で閉ざされているのでは?」

政宗を案内しつつ、彼の手荷物を受け取って、幸村は先導するように歩く。
しかも政宗は、供のものもつれていないようだ。

「上田は雪は溶けておるようじゃな。」
「はい。今日は幾分暖かいようで。道中、大事ありませんでしたか?」

雪道を歩くのはさぞかし大変だったろう。
問えば、政宗はにこりと微笑んで、右手を幸村の眼前に差し出した。

「コレがあれば問題ない。」

便利じゃ、と続けて幸村に見せたそれは、かんじき。
確かに、冬には必需品なのだが。
政宗とかんじき。どうにもそぐわない。

(政宗殿にかんじき…似合わない…が、可愛らしい!!)

得意そうは政宗には申し訳なかったが、
かんじきを履き、ここまでやって来た政宗の姿を想像すると、
おかしやら、可愛らしいやらで、幸村はこみ上げる笑みを堪えるのに必死だった。

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