忍者ブログ
日々の徒然や妄想など
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[01/10 漆黒の向日葵]
[12/21 紀伊]
[11/24 如月]
[11/09 如月]
[03/06 雲]
プロフィール
HN:
朔雲
HP:
性別:
女性
趣味:
読書 映画鑑賞 音楽鑑賞 車 メカ
バーコード
ブログ内検索
カウンター
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

調子の良いときに書いてしまおう大作戦☆

ちょっと順番繰り上げて、マカとキッドの幼少期妄想。
忘れちゃってるけど、実は二人は子供の頃良く遊んだんだよっていう妄想です。
最近ソウルの影が薄い。。。
ソウキドは本館の方で頑張ろうと思います。

マカ+キッド幼少期妄想、大丈夫な方は
「つづき」よりどうぞ。


*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

約束


「その子がスピリット君のお嬢さん?」
「そうです死神様!!かわゆいでしょー?!うちのマカちゃん!!!」
「…パパうざぃ。」

抱き上げ、頬擦りしようとするスピリットを、氷の一言で固まらせた。
栗色の髪を左右で結上げた少女は、深い緑色の瞳で目の前に立つ死神を見上げる。

「マカ・アルバーンです。はじめまして死神様。」

白いブラウスに赤いチェックのワンピースがとても良く似合い、
ハキハキ自己紹介するマカは、死神に活発な印象を与えた。

「はじめましてマカちゃん。マカちゃんはいくつになるのかなー?」
「5さいです。」
「元気がよくって物怖じしない、よい子だねぇ~。
うちのキッドにも見習って欲しいものだよ。」

未だ撃沈したままのスピリットを横目に、死神はマカを抱き上げると、
イスに座らせた。
テーブルの上には、子供が好みそうなクッキーが置かれ、
オレンジジュースもスタンバイしている。

「キッド?」

抱き上げられながら、マカは首を傾げた。

「うん。僕の息子なんだけどね。ちょこーっと人見知りするんだよねぇ。
ほらキッドくん、マカちゃんにご挨拶は?」

そこでようやく、マカは死神の後ろに小さな男の子が立っていることに気付いた。
死神の、細くなる足元に必死に隠れ、死神のマントを握り締めてこちらを窺う姿は、
うさぎかリスを思わせた。

「……です・ざ・きっどです。…5さい…です。」

発する声もとても小さい。
消え入りそうな声で、頬を真っ赤に染めながらマカに挨拶をするキッド。
すると、ひょいっと死神に抱き上げられ、マカの向かいのイスに座らされる。

「おやつ食べたら、しばらく二人で遊んでみるかい?」

死神の提案に、マカは元気良く「はい!」と答え、キッドはもじもじと俯いた。

「キッドくんは~?」
「…ぅ…あ……うん…あそぶ…」

マカをチラリと見て、視線が合うと慌てて逸らし、死神を見上げる。
なんとなく煮え切らない答えとキッドの仕草に、
マカは五歳児ながら庇護欲がむくむくと膨れ上がるのを感じた。
否、これが庇護欲だとは、マカ自身にも分かっていなかっただろう。
けれど、『守ってあげたい』『守ってあげねば』という思いはとても強く彼女に根付いた。

「キッドくん!あそぼうよ!!」
「…え?」

おやつを口にしないまま、マカは元気良くイスから飛び降り、キッドの手を取った。
つられてキッドもイスを降りる。
おろおろと死神を見て、マカを見る。
ついさっき、死神におやつを食べてから、と言われたキッドにとって、
おやつを食べる前に遊ぶことが良いことかどうか、判断付けかねている感じだ。
それを察して、死神は優しく告げた。

「いってきなさいキッド。マカちゃんと仲良くね~」

大きな手を振り振り、元気な少女と、引きずられるようにして歩く愛息子を見送った。

「いーつまで凹んでるんだい、スピリットくん?」
「死神様ぁ…うっうっ…だってマカちゃんが…マカちゃんが…」
「君も、大概しょーがないねぇ。武器としては超一流なのに。」

溜息をつき、死神は自分用に入れた緑茶を啜った。

「でも、マカちゃんのおかげで、キッドも少しは人見知りが治りそーねーぇ」




「キッドくんは、ふだん何して遊んでるの?」
「遊び…あんまりしない。友達…いないから…」

マカはキッドと手をつなぎながら、絵に描いたような青空の下、
どんどんと歩いて行く。
別にどこかに行きたいとか、アテがあったわけではないけれど。
この内気なキッドと思い切り遊んでみたかった。
マカの直感だが、きっとキッドとは良い友達になれる気がした。

「鬼ごっこは?影踏みとか。」
「知らない」

ふるふると頭を振ると、さらさらと漆黒の髪が凪いだ。

「じゃあ、鬼ごっこしよう。あのね、鬼と、逃げる人を決めてね…」

マカの説明にキッドは真剣に聞き入る。
そして、マカとキッドは走り出した。
そばに誰も居ない。マカと、キッドの歓声だけが響いた。

こんな時間を、キッドは知らなかった。
いつも誰か大人がそばに居て、会話には事欠かなかったが、
こうして遊んだことは無かった。
死神としての教育を受けて、あらゆる武器の扱いを学ぶ日々には、
キッドには子供らしく遊ぶことも、遊ぶ相手もいなかったのだ。

限られた人の間で、日々決まった生活を送る。
それはとても単調で、楽だけど楽しい訳ではなかったのだ、とキッドはようやく理解した。

初めて出会った、自分と同じ年の少女。
元気で溌剌としていて、笑顔がかわいい。

ひとしきり駆け回り、くたびれたところで、マカもキッドもその場にごろんと横になった。
こうして地面に寝そべることも、キッドには初体験だ。

「ねぇ、キッドくんは死神さまの子供なんでしょ?」
「うん。」
「しょうらいは、やっぱり死神さまになるの?」
「たぶん。」

青い空…とは言っても本物かどうかは分からない。
ペイントされたようにも見えるからだ。
その、空とも天井とも言えるものを見上げながら、マカが告げた。

「アタシね、将来、ママみたいなすごい鎌職人になりたいの。」
「マカは、職人になりたいの…?」
「うん。ママよりすごい職人になる。そしたら…」

いったん言葉を区切って、マカは空からキッドへと視線を向けた。
そして、伸ばされたキッドの指に自分の指を絡めた。
まだ子供のマカには、手を繋ぐ、という気持ちしかない。

「アタシ、キッド君のために、すごい武器を作るよ。」
「おれのために?」
「うん!だってキッド君は将来死神さまになるんだから。
死神さまには武器が必要でしょ?」
「…うん…」
「だから、約束するね。いつか、あたしがキッド君の武器を作るって。」

繋いだ手を、小指に変えて、マカはにっこり微笑む。
この小指の意味が分からずに、キッドは不思議そうに見つめた。

「約束するときは、こうやって小指を繋いで、呪文をとなえるんだよ。」
「呪文…」
「そ。ゆびきりげーんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます!ゆびきった!!」

手を上下に振られたかと思いきや、
突然ぱっと放されて、キッドは何がなにやら理解できないでいた。

「これで、約束おしまい!もしアタシがキッドくんに武器をつくれなかったら、
針を千本飲むから。」
「…っ!!!なんて怖ろしい罰なんだ!!」

あまりの衝撃に、キッドは寝転んでいた体を思い切り起こした。

「あはは。だいじょうぶ!あたしはぜったい、キッド君の武器を作ってみせるから。
だから、キッド君もすごい死神様になってね!」
「すごい死神…うん。頑張る。」

互いににこっと笑いあって、それから立ち上がる。
この部屋では時間の経過は良く分からないが、遠くから、二人を呼ぶスピリットと死神の声がする。
きっと捜しているのだろう。

二人は来たときと同じように、手を繋いで、声のするほうへ歩き始めた。

成長するにつれ、お互いに記憶は薄れてしまったけれど。
マカは"死神様の武器を作る"事に心血を注ぎ、キッドもまた、"父・死神を超える神"を目指していた。

キッドの目指し方が、若干神経質に成ってしまったのは、
"ゆびきり"の罰の厳しさゆえだとか、そうでないとか。

今はもう、覚えてはいない、けれど確かな約束を、二人は守ろうとしている。

拍手

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[190] [189] [188] [187] [186] [185] [184] [183] [182] [181] [180]

Copyright c 現実と妄想の果てに。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]